COLUMN

No.44
いろんな経験 2005/12/05

 一番上の写真。とあるマンションの一室。


なんか変。


 ビニールクロスが膨れているとろこに水が溜まっている。そんでもって、照明器具のカバーの中にも溜まって、今か今かと落ちそうになっているのをこらえている。さらにそれは、決してきれいな水ではない。上階の3点式ユニットバスの排水漏れ。

 築30年以上前の分譲マンション。今では考えられないけど、上階の排水管が下階の天井の中を走っている。この漏水による天井の補修はこれで3回目。私が補修するのは。もうすでに、何回も何回も、いろいろと手を施した形跡があるんだけど。やっと今回、新たな排水管を外壁側に新設して、上階でそちらに接続し直すことに。

 天井下地を一部補修して、石膏ボードを張って、後はクロス屋さんにバトンタッチ。設計やってるはずの人間が、こんなことまでやってるの?と思われてる。
だけど、これも設計に大いに役立つだろうという、貴重な経験。 設備配管を横引きすると、下階に漏水した場合に大変なことになると言うこと。30年前に設計されたものが、30年後にはどういう結果を生む可能性があるかということの実体験。自分がやった仕事でもないのに、何で3回も補修に走らないといけないんだろうという、職人が一番嫌がる仕事の経験。9.5mmの石膏ボードと言えども、ぴったりと張ってあったところの一部を張り替えるにはすんなりとはいかないということ。(そういう時は、石膏ボードの角裏を少し削ってから、片一方に押し当てておいて、なぞりつつ押し込むようにボードに「平手」を食らわすのです。)

 こういう経験や感情や工夫が、絶対に設計に生きている。(と思いたい)汚水を浴びつつ、くっそーっと思いながら。

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