COLUMN
No.43
『君は工務店という後ろ盾があっていいよ』設計仲間が言った。
自分では 「後ろ盾」 という感覚ではなくて、むしろ 「背負ったもの」 という感覚で今までやってきた。工務店でやっていた頃は、未熟なりにも 「経営者の内の一人」 という意識で仕事してきた。より良いものを、よりよいデザインを、という「設計者」でありたい自分と、お客さんの予算で最大限良い建物を、という「施工者」でありたい自分との狭間で、赤字工事も連発し、経費も利益も出せない現場にしてしまっても、会社から給料をもらっている自分がイヤで、独立した。
だから、設計事務所として独立した今でも、「後ろ盾」 というよりは 「負い目」 という感覚だったんだけど、自分以外のひとからは 「後ろ盾」 に見えるものなんだ。確かに、工務店としてのお客さんだったり、協力業者さんだったり、施工やコスト管理のノウハウなんかは、親父がひとつひとつ作り上げてきたものを自分たち兄弟は引き継いだわけで、ゼロから出発したわけではない。それを 「後ろ盾」 って言うのかもしれないけど、その 「後ろ盾」 を自ら背負って進んでいくのも簡単じゃない。意外に重たいんだ。独立したとは言っても。
設計事務所として工務店とは独立した立場ではあるけれど、『お客さんにとってより良い建物を』 という理想のためには、ある時にはお互いに協力し合えばいいし、「後ろ盾」 を一緒に背負えばいい。そう思っている。
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