COLUMN

No.54
あなたにとっての「いい家」 2008/06/16

 先日、ある現場にお施主さまがおみえになったときのこと。

 奥さまが道路付近でご近所の奥さまたちと立ち話をされていました。
ご近所は建設会社の分譲住宅が多く、建売住宅や自由設計(フリープラン)とうたった注文住宅のようです。

 後から奥さまが教えてくれたのですが、その時の立ち話では、『3階建てなの?』

→ リビングとダイニング・キッチンとがスキップフロアになっていることと2階にロフトがあることで、普通の2階建てよりは建物高さが高いので、3階建てに見えるようです。


『設計は完全な自由設計なの?』

→スキップフロアだったり、ロフトがあったりは、自由設計(フリープラン)です、とは言っても、普通の建設会社はやらない、やれないことが多い。


『キッチンなどの住設機器はどのメーカーでも選べるの?』

→分譲住宅では、どのメーカーの何でもいいですよ、というところは少ない。選ぶことができても、付き合いのある数社の中から選んでください、ということがほとんど。そんな話しが出たようです。

 話の最後には、ご近所の奥さまからは、『(気に入ってないからか、納得していないからか)すぐにでも建て替えたいくらい。』なんて言葉もで出たそうです。
こういう言葉が出るということは、その人にとっては明らかに『いい家ではない、いい家だとは思っていない』ということです。周りの外野がいくら『いい家だ』 と言ったって、営業マンがいくら 『素敵な夢のマイホームですよ、お値打ちですよ』 と言ったって、設計マンがいくら 『ここでの素敵な生活シーンがどうのこうの・・』と言ったって、あなたにとっての 『いい家』 であるとは限りません。「いい家」と感じるにも、人それぞれです。残念ですが、「いい家」 は他人が与えてくれるものではありません。 唯一、「いい家」 を手に入れる方法は、『自分自身が納得すること』です。

 上の話しでのご近所の奥さまは、自分の家に納得していないということです。どんなに高い住宅でも、どんなに安い住宅でも、どんなに変わった形の住宅でも、どんなに変わった色の住宅でも、まずはそこに住む人たちが納得していれば、その人たちにとっては 「いい家」 です。仮に、ちょっと失敗したなと思うところがあったとしても、それに関して納得していれば、「しょうがないな」 と思えるでしょう。その失敗も、「愛嬌」 になるかもしれません。

 これから家を建てたいな、と思っている方は、 まずは、自分にとっての 「いい家」 とはどういう家だろうか、と納得いくまで家族で話し合ってみてください。「いい家」 を探していく中で、両親やお友達ですでに家を建てた人の経験談や、ハウスメーカーの営業マン、 工務店や設計事務所の人などのプロ側の意見などを参考にしていくと、自分たちにとってしっくりくる 「いい家」 が少しずつ見えてきます。そして、最後には自分たちが納得できるか、を確かめてみてください。

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